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ラッコと学ぶ税務調査

 Q.税務調査って、なんで急に来るの?

A.
「いきなり来る!」というイメージがありますが、
実は ほとんどの税務調査は事前に通知されます。
通常は、調査の2週間ほど前に「○日に伺います」という連絡があり、その間に準備を整えることができます。

ただし、まれに「無予告調査」といって、事前の連絡なしで突然行われる特別なケースもあります。これは、証拠隠滅などのリスクがあると判断された場合などに限られます。

Q. 無予告調査って本当にあるの?

A.
あります。しかも、「本気モード」の調査で行われることが多いです。通常の税務調査は事前に連絡がありますが、「無予告調査」はその名のとおり、いきなり来るタイプの調査です。

なぜ無予告なのかというと、事前に知らせると
証拠を隠したり処分されたりするおそれがある
から。

特に「仮装・隠ぺい」などの疑いがある場合に実施されます。
ただし、普段から帳簿や経理を整えておけば、慌てる必要はまったくありません。
きちんと準備しておくことが、最大の防御になります。

Q. 脱税してなくても、税務調査に入られるの?

A.
はい。脱税がなくても税務調査が行われることはよくあります。税務署は「特定の人を疑っている」わけではなく、申告内容の正確性を保つために、全体のバランスを見ながら調査を行っているのです。
中には、

  • 定期的に所得や経費をチェックする「一般同時調査」
  • 特定の取引や項目だけを確認する「重点項目調査」

といったケースもあります。
つまり、“脱税の疑い”ではなく、“申告の健康診断”のようなもの。
焦らず、堂々と対応することが大切です。

Q. 調査中にウソついたらどうなるの?

A.
税務調査中の質問に対して、虚偽の回答をすることは法律で禁止されています。税務署には「質問検査権」という権限があり、それに基づいて正しく答える義務があります。

もし故意にウソをついた場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

ただし、無理に答えようとして間違えるよりも、
「わかりません」「確認してからお答えします」と正直に伝える方がずっと良い対応です。
税務調査では、誠実であることそのものが信頼につながります。

Q. 税務調査って“心理戦”なの?

A.
税務調査では、調査官が段階的に質問を深めていく工夫がされていることがあります。

  • 最初は「概況聴取」といって、会社の全体像を尋ねる答えやすい質問から始まります。

  • そこから徐々に、帳簿の流れや取引の詳細についての質問に進みます。

  • 最終的には、金庫の中や現金の確認など、より踏み込んだ確認が行われることもあります。

こうした過程で、調査官は納得を得たり、正確な情報を引き出すために心理的な駆け引きを行うことがあります。

そのため、冷静に状況を整理し、適切に対応するためには、税理士のサポートが非常に重要です。

Q. 税務調査って、最初はどんな順番で進むの?

A.
税務調査は、いきなり帳簿をチェックされるわけではありません。一般的には、次のような流れで進みます。

  1. 事前通知
    まず、調査の日程や担当者、調査内容の概要などが連絡されます。
  2. 当日の開始(概要の聴き取り)
    最初は「会社の概要」や「事業の流れ」などを質問されることが多く、いわば会社の自己紹介のような段階です。
  3. 帳簿・証憑の確認 → 質疑応答
    その後に、帳簿や領収書などの確認、そして質問対応という順番で進みます。

調査官は、最初に「本日の流れ」を説明してくれるため、
あらかじめ段取りを知っておくだけでも落ち着いて対応できます。

Q. 任意調査って本当に任意なの?

A.
任意調査というのは、強制調査(査察調査)と区別するための呼び方です。強制調査は、裁判所の令状をもとに行われる「マルサ調査」などを指しますが、
通常の税務調査はそれとは違い、「任意調査」と呼ばれます。
ただし、“任意”といっても自由に断れるわけではありません。正当な理由なく拒否することはできず、基本的には協力が求められます。

とはいえ、日程や調査方法については相談や調整が可能です。
事前に予定を伝えれば、業務に支障のない形で進めてもらえることも多いです。

Q. 調査官が来たら、何を準備すればいいの?

A.
基本的に、税務調査で求められるのは次のような資料です。

  • 帳簿類(仕訳帳・総勘定元帳など)

  • 請求書・領収書・契約書

  • 賃金台帳や給与明細

  • 通帳や現金出納帳

これらに加えて、受注管理のデータ、従業員のシフト表、会社の日程表など、
帳簿を作成する根拠となる資料の提示を求められることもあります。

税務署は「帳簿の数字が実際の活動と一致しているか」を確認したいのです。
そのため、日ごろから資料を整理しておくことが大切です。

Q. 見せたくない書類は見せなくてもいいの?

A.
税務調査で必要な書類は、「質問検査権」に基づき、
基本的に提出する義務があります。

もし隠そうとすると、税務署は事前に銀行や取引先から情報を集めていることが多いため、隠したことがすぐにわかる場合があります。

そのため、正直に書類を提出することが最も安全です。
さらに、あらかじめ書類を整理しておくことで、調査もスムーズに進み、安心して対応できます。

Q. 「事前通知」って必ずあるの?

A.
基本的には税務調査には事前通知がありますが、
必ず通知されるわけではありません。
通知が省略されるのは、事前に知らせると不正を隠したり
数字をごまかしたりするおそれがある場合
です。

具体的には、

  • 過去に不正計算があった会社
  • 現金商売で売上除外が起きやすい業種

などの場合に、正確な課税の把握が難しくなるおそれがあるとして、無予告で調査が行われることがあります。日頃から帳簿や経理を正確に整えておけば、無予告調査でも慌てず対応できます。

Q. 実地調査って何が起きるの?

A.

一般的には次のような手順で進みます。

  1. 概況聴取
    ​会社の全体像や事業内容について質問されます。いわば“自己紹介タイム”です。
  2. 帳簿・書類の確認
    帳簿の作成方法や保存している書類を確認されます。
  3. 帳簿調査
    仕訳や取引の数字を細かくチェックされます。
  4. 銀行調査・反面調査(必要に応じて)
    外部情報をもとに、帳簿の正確性をさらに確認します。
  5. 取引内容の質疑応答
    確認が必要な取引について質問されます。
  6. 調査結果のまとめ
    必要に応じて修正申告が行われ、追徴税や加算税がある場合は納付して完了となります。

事前に流れを知っておくだけでも、心の準備ができ、落ち着いて対応できます。

Q. 担当税理士がいても対応って必要なの?

A.
はい、社長自身の対応は必要です。
たとえば、調査の最初に行われる「概況聴取」では、会社の全体像を社長自身の言葉で説明することが求められます。

税理士は補足やフォローはできますが、会社の実情を最もよく知っているのは社長です。直接答えることが重視されるため、社長自身が調査官に対応する必要があります。

万一、不正の疑いがある場合は、社長から直接「質問応答記録書」を取られることもあります。
これは、正式な調書として会社の申告内容を確認する非常に重要な場面です。

ただし、税理士が横でサポートしてくれるので安心です。
二人三脚で対応すれば、落ち着いて調査に臨めます。

Q.  税務署に怒られたらどうすればいいの?

A.
税務署から厳しく指摘された場合でも、まず大切なのは
感情的にならず、冷静に対応することです。

感情的になって信頼関係が崩れると、調査が厳しくなることがあります。

例えば、取引先や銀行への確認(反面調査)が行われたり、証拠を固める形で調査が長引くこともあります。
場合によっては、取引先との信頼関係にも影響が出る可能性があります。

そのため、事実を整理して落ち着いて伝えることが最も重要です。
冷静な対応こそ、調査をスムーズに進めるカギとなります。

Q.  修正申告ってどうして求められるの?

A.
税務調査で修正申告を求められるのは、単に税金を多く取るためではありません。

大切なのは、納税者自身が誤りに気づき、
「税金の考え方を改める」ことです。

修正申告とは、調査官に直されるのではなく、自分で誤りを修正して申告する手続きです。

 

つまり、追徴税を支払うだけでなく、申告内容の正確性を学び直す機会でもあります。
税務調査は、罰を与えるだけでなく、確認と修正のチャンスと考えることができます。

Q.  調査官と仲良くしてもいいの?

A.
はい、調査官と信頼関係を築くことは大切です。

誠実に協力する姿勢を見せることで、調査官も安心し、調査がスムーズに進む可能性が高くなります。

逆に、敵対的な態度をとると、調査官はより厳しく確認しようとするため、調査が長引くこともあります。
信頼関係を意識した対応は、調査を早期に終結させるポイントのひとつです。

Q.  調査って、誰が来るかで対応変えるべき?

A.
はい、調査官の担当によって対応のポイントが変わることがあります。通常は税務署の「一般調査担当」が来ますが、

場合によっては

  • 特別調査班
  • 国際税務専門官
  • 総合特官

など、専門チームが担当することもあります。

税務署の内部は部門ごとに機能が分かれており、担当者によって調査の深さや質問の切り口が異なるのです。そのため、担当部署や調査官の特徴を踏まえて対応方法を検討することが重要です。

税務署の内部事情に詳しい税理士に相談すると、より安心して調査に臨めます。

Q.  「否認されました」ってどういう意味?

A.
「否認されました」とは、簡単に言うと「この支出は経費として認められません」という意味です。

支出した事実と、税法上経費として認められるかどうかは別の判断になります。

つまり、お金を使った=経費になるわけではなく、税法のルールに照らして判断されます。

そのため、事前に支出内容を整理したり、税理士に相談しておくことが大切です。

Q.  「重加算税」ってどういうときにかかるの?

A.
重加算税がかかるのは、単純なミスや勘違いではなく、
悪質な脱税行為を行った場合です。

具体的には、

  • 資料を仮装・隠蔽して申告書を作成した場合
  • 脱税を意図して、わざと少ない所得で申告した場合

などが該当します。
通常の加算税よりも重く処分されるため、「重加算税」と呼ばれます。逆に言えば、誠実に申告していれば、恐れる必要はありません。

Q.「使途秘匿金」ってどんなお金のこと?

A.
使途秘匿金
とは、支払先や使い道を明らかにできないお金のことです。

例としては、

  • 裏で渡した接待費
  • 相手を公にできない謝礼金

などが該当します。
こうしたお金は、経費として認められず、さらにその金額に40%の加算課税がされることがあります。そのため、透明性のある経理が非常に重要です。

Q.「個人的経費」ってどうやって見分けるの?

A.
個人的経費かどうかのポイントは、その支出が事業のためかどうかです。判断が微妙な場合、以下の点で見分けます。

  • 誰と使ったのか
  • 何のために使ったのか
  • 事業にどう役立つのか

これらを説明できれば、経費として認められる可能性があります。説明できない場合は、個人的な支出とみなされます。

Q.「架空経費」ってなにがダメなの?

A.
架空経費とは、実際には支払っていないのに支払ったことにして経費に計上する行為を指します。

具体的には、架空の領収書を作成して計上する、日付や金額、支払先を改ざんする、といった行為が該当します。

経費として認められるためには「実際に事業のために支払った」ことが必要です。そのため、実態のない支出や事実と異なる記録は不正とされ、発覚した場合は重いペナルティの対象になります。

対応のポイント

  • 日ごろから領収書や契約書、振込明細などの実務証拠を保存しておくこと。
  • 記録に不整合がある場合は早めに税理士に相談すること。

Q.「架空外注費」ってバレるの?

A.
はい、架空外注費は実際に作業を行った人や契約内容を確認すれば、すぐに発覚します。

 

税務調査では、

  • 外注先への確認
  • 作業記録の照合

などを行うため、名前だけ借りたり、架空で計上することは通用しません。
大切なのは、帳簿と実際の取引の実態が一致していることです。

ごまかそうとすると必ず見破られるので、正しい経理が最も安全です。

Q.「架空人件費」ってよくあるの?

A.
架空人件費とは、実際には存在しない社員に給料を支払ったことにして計上する行為です。

これは、昔から典型的な不正のひとつとされており、税務署も特に厳しくチェックしています。

 

正しい経理と申告を行うことで、こうしたリスクを避けることができます。

Q.「架空仕入」ってどうやって見抜かれるの?

A.
架空仕入とは、実際には存在しない取引を仕入として計上する行為です。税務署は、取引の両側の整合性を確認して見抜きます。

例えば、

  • 仕入先が申告していない
  • 銀行口座の入出金の流れを調べ、実際にお金が動いているか確認
  • 支払ったお金がすぐ返金されるなど、実態のない動きがある

といった場合に「実態がない」と判断されます。
帳簿だけでなく、取引の裏付けとなる資料や動きを整理しておくことが重要です。

Q. 「売上除外」って、バレやすいの?

A.
現金売上の除外は、思ったより簡単に見抜かれます

税務署は無予告調査で突然訪問し、その日の売上状況をありのまま確認します。そのため、直前や当日の売上除外もすぐに発覚する可能性があります。

一度「売上除外」と認定されると、過去の取引にもさかのぼって推計され、多額の追徴課税になることもあります。

現金だから大丈夫、と思わず、正直に申告することが最も安全です。

Q. 「売上繰延べ」って調査で見つかる?

A.
売上を次の期に回す「売上繰延べ」も、調査で見抜かれることが多いです。

税務署は売上と仕入の時期を突き合わせてチェックします。
例えば仕入があるのに売上が翌期に回されていれば、不自然だと判断されます。

そのため、わざと繰延べして隠そうとしても、仕入や棚卸との整合性で発覚しやすいです。

Q. 「仮装隠ぺい」って何?

A.
「仮装隠ぺい」とは、不正計算の代表的な手口です。

  • 仮装:証拠書類やデータを書き換えること

  • 隠ぺい:証拠書類やデータを隠す・破棄すること

 

こうした行為があると、通常の加算税ではなく重加算税という重いペナルティがかかります。

Q. 「帳簿調査」って何を見られるの?

A.
帳簿調査では、仕訳帳や元帳、決算書をもとに、証拠書類と一つひとつ突き合わせてチェックされます。

  • 売上:請求書や入金記録

  • 経費:領収書や契約書

帳簿と証拠が揃っていれば、安心して調査に臨めます。

Q. 「概況聴取」ってなにを聞かれるの?

A.
調査の最初に行われる聴き取りです。

  • 事業内容や会社の全体像
  • 従業員数や経理の流れ
  • 書類やデータの集計方法

最初は簡単な質問から始まり、徐々に深掘りされます。
普段から経理の仕組みを整理して説明できると安心です。

Q. 「質問応答記録書」って署名しないとダメなの?

A.
税務調査の際に作成される「質問応答記録書」は、調査官とのやり取りの内容をまとめた公式な記録書です。

署名は法律上の義務ではなく、拒否することも可能です。
ただし、署名を拒否すると「非協力的な態度」と受け取られ、
その後の調査が厳しくなるおそれがあります。

とはいえ、納得できない内容のまま署名する必要はありません。
まずは「この部分を訂正してほしい」と冷静に伝え、
双方が内容に納得したうえで署名するのが最も安全です。

 

ポイントは、“我慢ではなく、冷静な対応”。
無理に署名せず、事実に即した形に整えてからサインすることが大切です。

Q. 「反面調査」ってどこまでされるの?

A.
「反面調査」とは、取引先や銀行など、関係する第三者に対して行われる確認調査のことです。

税法上、「調査に必要があるとき」に限って実施できるとされており、むやみに行われるものではありません。

ただし、その“必要性”を判断するのは調査担当者です。
こちらが非協力的な態度をとった場合、
「取引先にも確認しますね」という形で反面調査に発展することがあります。

逆に、最初から誠実に説明し、協力的な姿勢を見せていれば
多くの場合、反面調査まで行われることはありません。

誠実な対応が、余計な調査を防ぐ一番の近道です。

Q. 「現物確認調査」ってどんな調査?

A.
「現物確認調査」とは、帳簿や書類の数字だけでなく、実際の“モノ”を確認する調査のことです。

たとえば、在庫・備品・不動産などの資産を現地で確認し、帳簿上の記録と実際の状況にズレがないかをチェックします。
また、経理の流れの中で作成されたデータや資料を、調査官が自らの目で照らし合わせることもあります。

つまり、「数字」と「実物」がきちんと対応しているかを確認する調査です。
普段から棚卸や備品管理を正確に行っていれば、落ち着いて対応できます。

 

現場と帳簿の一致。それが信頼される経理の基本です。

Q. 「現況調査」っていつ来るの?

A.
「現況調査」は、予告なし(無予告)で行われる税務調査の一種です。

目的は、事業の“ありのまま”の経理状況を確認すること。あらかじめ通知すると準備されてしまうため、調査官は事前に下見をしたうえで、最も適切と判断したタイミングで訪問します。

そのため、日程の相談ができないケースが多く、まさに“突然の訪問”となることが一般的です。
普段から帳簿や書類を整理しておくことで、どんなタイミングでも落ち着いて対応できます。

 

日常的な整備が、最大の備えです。

Q.「銀行調査」って何を調べられるの?

A.
「銀行調査」とは、帳簿上の取引内容と実際の資金の流れを照合するために、銀行口座の取引状況を確認する調査のことです。

税務署は、帳簿調査の中で不審な点があった場合、仕入先・外注先・従業員などへの支払いを銀行を通じて確認します。
また、申告していない売上が別の口座に入金されていないかを調べることもあります。

 

帳簿と銀行の記録が一致していれば、調査はスムーズに進みます。
日頃から資金の流れを明確にし、「数字とお金の整合性」を保っておくことが大切です。

Q.「部外情報」ってどこから出てくるの?

A.
「部外情報」とは、その名のとおり税務署の外から入ってくる情報のことです。

帳簿や申告内容の整合性を確認する際、税務署はこうした外部情報も参考にします。

その中には、取引先からの通報元従業員などからの情報提供が含まれることもあります。
情報提供者は原則として匿名で扱われ、誰が提供したのかは調査対象者には明かされません。

意外に思われますが、税務署には日々さまざまな情報が寄せられています。
「バレないだろう」と思っていたことが、別の角度から把握されるケースも少なくありません。

結局のところ、日頃から取引や経理をクリーンに保つことが、最も確実な防衛策になります。

Q.「質問検査権」って、どこまで強いの?

A.
「質問検査権(しつもんけんさけん)」とは、税務調査の際に税務職員が納税者などに質問したり、帳簿・書類などを検査したりできる権限のことです。

この権限は、税務調査を行ううえで非常に強力なものとされています。

行使できるのはあくまで「調査に必要な範囲」に限られますが、刑事事件のような黙秘権は認められていません。
そのため、税務署からの質問には、基本的に回答する義務が生じます。

一方で、税務職員には厳格な守秘義務が課されています。
調査で知り得た個人情報や取引内容を、外部に漏らすことは絶対に許されません。

つまり、「強い権限」と「重い守秘義務」はセットで運用されており、
調査の適正さと納税者の保護のバランスが取られているのです。

Q.「留置き」って強制なの?

A.
税務調査で使われる「留置き」とは、調査に必要な帳簿や資料を一時的に税務署が預かることをいいます。

法律上は罰則の規定もあるため、一見すると「強制的に持っていかれる」と思われがちですが、
実際の運用はあくまで“任意”です。

つまり、納税者が同意しない限り、強制的に資料を持ち出すことはできません。

ただし、調査のために必要な資料がある場合は、コピーを渡す・一部だけ預ける・返却時期を相談するといった柔軟な対応も可能です。「すぐ使う書類なので、早めに返してほしい」など、きちんと相談すれば応じてもらえるケースもあります。

大切なのは、ただ従うだけでなく、冷静に話し合うこと。
調査官と誠実にやり取りすることで、スムーズに調査を終えることができます。

Q.「遡及期間」ってどこまでさかのぼられるの?

A.
税務調査では、過去の申告内容をさかのぼって確認することがあります。
基本的な目安は次の通りです。

  • 通常の調査:直近3年分
  • 誤りが繰り返されていると疑われる場合:5年分まで
  • 悪質な不正計算(脱税など)があった場合:7年分まで

つまり、単純なミスなら直近3年程度ですが、意図的な不正やパターンが見られる場合は、さらに長くさかのぼられる可能性があります。

ポイントは、日頃から正確に記録しておくこと。
帳簿や証拠をきちんと整理しておけば、調査でも安心して対応できます。

Q.「特別調査」って、どういう調査?

A.
特別調査は、通常の税務調査よりも人員や日数を多く投入して行う、大規模な調査です。

  • 対象は、悪質で高額な不正計算が疑われる納税者

  • 専門の部署が徹底的に調査を行います。

  • いわば、税務署の“本気モード”の調査と言えます。

ポイントは、日頃から正しい経理と申告を心がけること。
普段から帳簿や書類を整理しておけば、特別調査の対象になるリスクを減らすことができます。

Q.「守秘義務」って守られてるの?

A.
国税当局には、納税者が安心して調査に協力できるように、守秘義務が課されています。

  • 調査で知った情報は外部に漏らしてはいけない

  • もし職員が守秘義務を破った場合は、厳しい処分や退職勧奨が行われます。

つまり、職員にとっても絶対に破れない重いルールです。
守秘義務がしっかり守られているので、調査の際は安心して協力できます。
「外に漏れるのでは…」と心配する必要はありません。

Q. 税務署って、どんなところをチェックしてるの? 

A.
税務署は、申告内容の数字の整合性や傾向を中心にチェックしています。

  • 仕入や外注費の過多:同規模・同業種と比べて多すぎる場合は要注意。

  • 経費の急増:前年より急に増えた経費も目立つポイントです。

  • データ分析の進化:膨大な情報を分析するツールを使い、潜在リスクのある納税者を特定していきます。

  • AIの活用:今後はデータモデルで申告内容を突き合わせ、整合性をチェックする流れが進んでいます。

数字やデータの不自然さから、不正や誤りが見つかる可能性があります。
ますますごまかしは通用しない時代です。

Q.経営者の人間性って見られてるの?

A.
税務調査では、数字だけでなく経営者の態度や姿勢もチェックされています。

  • 協力度合い:調査にどれだけ協力的かが見られます。
  • 税に対する姿勢:「正しく納めよう」という意識の有無も判断材料に。
  • 税知識の有無:知識があるかどうかで、単純ミスか故意の不正かを見極められます。

調査では、冷静で誠実な態度を心がけることが大切です。
数字だけでなく、人としての姿勢も評価の対象になることを意識しておきましょう。

Q. 納得いかない指摘があったらどうすれば?

A.
税務署の指摘に納得できない場合も、落ち着いて対応すれば解決の道があります。

  1. 冷静に主張する
    感情的にならず、根拠を示して自分の意見を伝えましょう。
  2. 更正・決定のリスク
    最終的に折り合わなければ、「更正・決定」として強制的に課税される場合があります。
  3. 不服申し立てで争う
    それでも納得できない場合は、正式に「不服申し立て」の手続きを行い、税務署に対して自分の正しいと思う立場を主張できます。

ただ従うだけではなく、正式な手続きを通じて争う道があることを知っておくことが大切です。

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新着情報・お知らせ

2022/08/26
ホームページを公開しました
2022/08/26
「代表税理士ごあいさつ」ページを更新しました
2022/08/28
「よくあるご質問」ページを作成しました
2022/09/06
「よくあるご質問」ページに「インボイス制度への対応」を追加しました。
2022/10/01
「顧問契約(クラウド会計による経営の効率化」ページを更新しました。
2022/11/19
「税務調査の流れについて」ページを作成しました。
2023/02/01
「仕事を楽しむためのWebマガジンB-plus」に弊所のインタビュー記事が掲載されました。
2023/02/28
TRUSTタイムズにおいて、「水商売の税務調査・インボイス対応セミナー」(Zoom)の開催(2023年4月3日)が決定しました。
2023/03/08
「よくあるご質問」ページに「インボイス制度に登録していない取引先への対応」を掲載しました。
2023/04/25
TRUSTタイムズにおいて、「水商売のインボイス対応セミナー」(Zoom)の開催(2023年5月18日)が決定しました。
2023/04/28
中小企業経営力強化支援法に基づく「経営革新等支援機関」に認定されました。(認定支援機関ID:107927000301
2023/06/30
経営革新等支援機関推進協議会に入会し、補助金等の支援業務を開始しました。
2023/07/28
経営革新等支援機関推進協議会の補助金認定アドバイザーを取得しました。
2023/08/09
TRUSTタイムズにおいて、「水商売の税務調査対応セミナー」(Zoom)の開催(2023年9月14日)が決定しました。
2023/08/11
株式会社アントレプレナーファクトリー「ChatGPTマスターコース」の受講を完了しました。
2024/01/20
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2024/02/03
中山寺「星祭節分会 除災招福豆まき式」に福男として参加してきました。
2024/03/27
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2024/06/12
公式Instagramで「お役立ち税情報」の発信をはじめました。
2024/08/05
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2024/11/26
「トップページ」の「書面添付制度の活用」についての説明を拡充しました。
2025/02/02
中山寺「星祭節分会 除災招福豆まき式」に福男として参加してきました。
2025/04/11
成人発達理論スターベーシック講座の修了証を獲得しました。
2025/06/01
公式Instagramにて「税務調査用語の授業」を毎朝7時に配信する企画を開始しました。
2025/07/08
公式Instagramのフォロワー数が400を超えました。
2025/07/23
講師・コンサルのための生成AI活用講座の修了証を獲得しました。
2025/07/31
公式Instagramにて「成人発達理論×生成AI×税務」による「ラッコと学ぶ、おとなの税務と成長」シリーズをスタートしました。
2025/08/01
成人発達理論実践応用講座の修了証を獲得しました。
2025/08/22
大阪市内の高等学校で「税理士が教える"自分らしさ"の活かし方」をテーマに講義を行いました。
2025/10/02
阿倍野地区の寺院集会で「宗教法人の税務と税務調査の注意点」をテーマに講義を行いました。
2025/10/08
「ラッコと学ぶ税務調査」の特設ページを開設しました。

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淀屋橋駅から徒歩7分
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