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成人発達理論を活用した企業の成長段階
ー節税マインドを含めた整理ー

企業の成長には、「売上」だけでは測れない段階があります

企業の成長というと、売上高、利益、従業員数、店舗数など、目に見える数字で語られることが多くあります。

しかし実際には、同じ売上規模の企業であっても、経営者の考え方、組織の意思決定、社員との関係、数字との向き合い方、そして税金に対する捉え方は大きく異なります。

たとえば、利益が出たときに、

「まずは税金を減らしたい」と考える企業もあれば、
「納税後に残る資金を、どこへ投資するか」と考える企業もあります。

また、経営者一人の判断で素早く動ける企業もあれば、理念や仕組みに基づいて、組織として意思決定できる企業もあります。

こうした違いは、単なる経営手法の違いではなく、企業や経営者がどのような視点で物事を捉えているかという、いわば「成長段階」の違いとして考えることができます。

本ページでは、成人発達理論の考え方を企業経営に応用し、企業の成長を5つの段階に整理しました。

各段階について、

  • その段階でできること

  • 陥りやすいこと

  • 次の段階へ進むために必要なこと

  • 節税や納税に対する考え方

という視点からご紹介します。

この5段階は、企業の優劣を決めるものではありません。

創業期には、目の前の売上や資金繰りを優先することが必要です。成長期には、営業力や利益への意識が企業を前進させます。組織が拡大すれば、社員との関係や社内の調和も重要になります。

つまり、それぞれの段階には、その段階だからこそ発揮できる強みがあります。

一方で、企業を成長させてきた考え方が、次の段階では成長を妨げる原因になることもあります。

たとえば、

  • 売上を増やすことだけを追い続ける

  • 税金を減らすことが目的になる

  • 社員に配慮するあまり、必要な決断ができない

  • 仕組みや制度を重視しすぎて、変化に対応できない

といったことです。

企業の成長に必要なのは、今の段階を否定することではありません。

今の企業が、何を大切にして経営しているのか。
どのような強みを持っているのか。
そして、どこに成長の壁が生まれているのか。

それを知ることが、次の段階へ進む第一歩です。

特に税務や財務の面では、

「税金をいくら減らせるか」という視点から、
「納税後にいくら資金を残せるか」という視点へ、
さらに「その資金をどのように企業価値へ変えていくか」という視点へ、

経営者の考え方も変化していきます。

節税そのものが悪いわけではありません。

大切なのは、節税を目的にするのではなく、企業の成長、資金の確保、投資、人材育成、事業承継などを含めた経営全体の中で、税金をどのように位置づけるかです。

自社が今、どの段階にいるのか。

そして、次の段階へ進むために、何を手放し、何を身につける必要があるのか。

企業の現在地を確認しながら、第1段階から第5段階までをご覧ください。

成人発達理論を活用した企業の成長段階

生存・反応型(税金を払うお金がない)

第1段階

「税金を払うお金がない」

この段階では、節税以前に資金繰りが中心です。

経営者の関心は、

  • 今月の支払いをどうするか
  • 消費税や源泉所得税を払えるか
  • 借入れができるか
  • 売上を早く入金できないか

という、目の前の資金問題に向いています。

 

できること

  • 行動が速い
  • 売上獲得に集中できる
  • 固定費を抑えられる
  • 危機への対応力がある

 

陥りやすいこと

  • 納税資金を運転資金として使う
  • 消費税を利益だと考える
  • 決算まで税額を把握しない
  • 記帳や請求を後回しにする
  • 赤字だから税金は関係ないと考える

 

次の段階に必要なこと

  • 毎月の利益を把握する
  • 消費税、法人税、所得税を別管理する
  • 納税予定表を作る
  • 利益と現金の違いを理解する
  • 3か月先、6か月先の資金繰りを見る

利得・節税優先型(税金は払わないほうが得)

第2段階

「税金は払わない方が得」

節税マインドが最も強く表れやすい段階です。

経営者は、利益が出ることよりも、

  • 税金がいくら減ったか
  • 経費をどこまで入れられるか
  • 現金を会社からどう取り出すか
  • 税務署にどこまで見つからないか

という視点で考えやすくなります。

 

できること

  • 経費や税制に関心を持つ
  • 制度を積極的に活用する
  • 営業や利益獲得への意欲が高い
  • 投資判断が速い
  • 数字への関心が高まる

 

陥りやすいこと

  • 100万円使って30万円の税金を減らすことを得だと考える
  • 不要な車、保険、不動産、設備を購入する
  • 私的経費を会社経費に入れたがる
  • 利益を出すこと自体を悪いことと感じる
  • 税務調査で否認されるリスクを軽視する
  • 脱税的な提案をする専門家を評価する
  • 納税額の少なさを税理士の能力だと考える

 

次の段階に必要なこと

節税額ではなく、次の3つを比較する必要があります。

  1. 税金を払った後にいくら現金が残るか
  2. その支出が将来の利益を生むか
  3. 税務リスクと信用低下の可能性はないか

例えば、100万円の不要な経費を使って税率30%の節税をしても、税金が30万円減る一方で、現金は70万円減少します。

この段階では、

「税金を減らすこと」から「手残りを増やすこと」

へ視点を変えることが重要です。

周囲適応・常識型(税理士や周囲が勧める節税をする)

第3段階

「税理士や周囲が勧める節税をする」

この段階では、経営者自身の判断よりも、

  • 税理士が勧めたから
  • 同業者がやっているから
  • 銀行や保険会社から提案されたから
  • 経営者仲間が得だと言っていたから

という理由で節税を行いやすくなります。

 

できること

  • 専門家の意見を受け入れる
  • 法令や社会的ルールを重視する
  • 極端な脱税行為を避ける
  • 会社の信用を意識する
  • 社員や取引先への影響を考える

 

陥りやすいこと

  • 節税商品の中身を十分理解しない
  • 税理士に経営判断まで委ねる
  • 同業者と違う判断をすることを怖がる
  • 黒字は出したいが納税はしたくないという矛盾を抱える
  • 保険、不動産、倒産防止共済などを目的なく利用する
  • 節税策を止める決断ができない

 

次の段階に必要なこと

節税策を実行する前に、次の問いを持つ必要があります。

  • この節税は何のために行うのか
  • 将来いつ資金が戻ってくるのか
  • 解約、売却、出口の課税はどうなるのか
  • 節税をしなかった場合、何に投資できるか
  • 自社の経営戦略に合っているか

この段階から次へ進むには、

「正しい節税策を教えてもらう」から、「自社に必要な税務戦略を自分で判断する」

への移行が必要です。


 

自律・財務戦略型(税金は経営戦略の一部)

第4段階

「税金は経営戦略の一部」

この段階では、節税は単独では判断されません。

経営者は、

  • 利益
  • キャッシュ
  • 借入れ
  • 投資
  • 採用
  • 役員報酬
  • 退職金
  • 事業承継
  • 株価
  • 金融機関からの評価

を総合して判断します。

 

できること

  • 利益計画を立てる
  • 納税額を事前に予測する
  • 納税後の資金を投資に回す
  • 役員報酬を中長期で設計する
  • 法人と個人の資産形成を分ける
  • 税務リスクを許容範囲の中で管理する
  • 銀行評価を意識して利益を残す
  • 事業承継や相続まで含めて考える

 

陥りやすいこと

  • 制度設計が複雑になる
  • 節税スキームを管理できなくなる
  • 数字だけで社員や事業を評価する
  • 節税効果の最大化が目的化する
  • 自社の判断基準に固執する
  • 税務上の合理性を優先しすぎる

 

次の段階に必要なこと

  • 税務上有利でも、社員や取引先に不利益がないか考える
  • 自社の利益だけでなく、社会との関係を見る
  • 次世代の経営者が理解できる仕組みにする
  • 複雑な節税策を定期的に見直す
  • 税務戦略そのものを相対化する

 

共創・持続可能型(納税も企業活動の一部)

第5段階

「納税も企業活動の一部」

この段階では、納税は単なるコストではなく、社会との関係の一部として捉えられます。

ただし、無条件に多く税金を払えばよいという考えではありません。

  • 必要な節税は行う
  • 無駄な支出はしない
  • 適正な利益を確保する
  • 納税後の資金を未来へ投資する
  • 社員、顧客、地域、次世代へ価値を還元する

という考え方です。

 

できること

  • 税引後利益で経営を考える
  • 長期的な企業価値を重視する
  • 社員への分配と内部留保を両立する
  • 次世代への承継を進める
  • 社会性と収益性を統合する
  • 他社や地域との共創を行う

 

陥りやすいこと

  • 納税を美化しすぎる
  • 社会貢献が目的化する
  • 利益を追求することに罪悪感を持つ
  • 理念が現場に伝わらない
  • 経営者の価値観を社員に押しつける

 

次に必要なこと

  • 社会的価値を具体的な数値目標にする
  • 利益、納税、投資、分配の方針を明文化する
  • 現場社員にも理解できる言葉へ翻訳する
  • 理念と収益性のバランスを検証し続ける

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新着情報・お知らせ

2022/08/26
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2022/08/26
「代表税理士ごあいさつ」ページを更新しました
2022/08/28
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2022/09/06
「よくあるご質問」ページに「インボイス制度への対応」を追加しました。
2022/10/01
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2022/11/19
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2023/02/01
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2023/02/28
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2023/03/08
「よくあるご質問」ページに「インボイス制度に登録していない取引先への対応」を掲載しました。
2023/04/25
TRUSTタイムズにおいて、「水商売のインボイス対応セミナー」(Zoom)の開催(2023年5月18日)が決定しました。
2023/04/28
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2023/06/30
経営革新等支援機関推進協議会に入会し、補助金等の支援業務を開始しました。
2023/07/28
経営革新等支援機関推進協議会の補助金認定アドバイザーを取得しました。
2023/08/09
TRUSTタイムズにおいて、「水商売の税務調査対応セミナー」(Zoom)の開催(2023年9月14日)が決定しました。
2023/08/11
株式会社アントレプレナーファクトリー「ChatGPTマスターコース」の受講を完了しました。
2024/01/20
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2024/02/03
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公式Instagramで「お役立ち税情報」の発信をはじめました。
2024/08/05
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2024/11/26
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2025/02/02
中山寺「星祭節分会 除災招福豆まき式」に福男として参加してきました。
2025/04/11
成人発達理論スターベーシック講座の修了証を獲得しました。
2025/06/01
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2025/07/08
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2025/07/23
講師・コンサルのための生成AI活用講座の修了証を獲得しました。
2025/07/31
公式Instagramにて「成人発達理論×生成AI×税務」による「ラッコと学ぶ、おとなの税務と成長」シリーズをスタートしました。
2025/08/01
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2025/08/22
大阪市内の高等学校で「税理士が教える"自分らしさ"の活かし方」をテーマに講義を行いました。
2025/10/02
阿倍野地区の寺院集会で「宗教法人の税務と税務調査の注意点」をテーマに講義を行いました。
2025/10/08
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2025/12/24
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2026/02/03
中山寺「星祭節分会 除災招福豆まき式」に福男として参加してきました。
2026/04/30
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2026/05/10
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2026/07/13
成人発達理論を活用した企業の成長段階
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